2015年12月04日

されどトレカ

息子は、盗られたカードを返してもらって本当に安堵し、笑顔が戻ってきた。諦めていた時に、まさか盗った本人が戻ってくるなんて。
私は、まずその子に、他人の持ち物を勝手に持って行ったらダメだよ、と強く注意した。そして、でも、悪いことをしたと認めて返しに来てくれたのは勇気のある行動だったね。返してくれてありがとう、と伝えた。するとその子は、息子があと数日でアメリカに帰ると言っていたので、レアカードを盗ってしまって悪かったと思ったと話してくれた。周囲に警戒をするように言っていたはずなのだが、息子の警戒レベルには苦笑してしまった。そんな話もしてたのか!みたいな…。しかし、結局は息子の人の良さがその子の心に楔となり、盗ってしまって悪かったと反省させ、踵を返す勇気に繋がった。なんだかわらしべ長者の昔話?あの話は、案外こういったことなんだろうか、と思った。
とりあえず、警備員さんたちが探しているので、うっかり捕まるとマズいから、嫌疑を晴らしに一緒に一階へ降りた。事件解決というお話をして、他の警備員さんにも連絡をしてもらった。警備員さんがいなくなってから、息子が持っていたレアカードがどうしてしんなに欲しかったのかを聞いた。すると、その子は実はかなりのトレカマニアであることが判った。
彼は小五なのだが、まずゲームセンターに行く前にインターネットで千円のカードの「セットリスト」を購入する。これは、カードの製造元がゲーム機にカードを設置する時に決まった順番に並べ、それを一セットとしてゲームセンターへ発送するのだが、その順番を記した一覧のことだそうだ。そして、「良い」ゲームセンターへ行く。悪いゲームセンターは、店員がセットリストからレアカードを抜いているそうである。セットリスト通りに出てこなかったらアウトだそうで、二度とそこには行かない。
レアカードは少なくとも二枚出しておく。一枚は売る。もう一枚はコレク頭皮真菌ションする。売ると一枚一万円ぐらいにはなるから、それを元手にまた良いゲームセンターへ行き、レアカードを出す。その時(今年の七月)彼はドラゴンボールヒーローズですでに出ている第一弾と第二弾のレアカードはほとんど持っているので、第三弾をコレクション中だった。息子が持っていたレアカードはなかなか出なくて困っていた。だから出来心に負けてしまった、のだそうだ。
いやしかし、小五が話す内容とは思えなかった。おそらく、親がネットのリスト購入に関わっているだろうし、トレカ買取の店は駅から離れた国道沿いにあるから親も付き添っているだろうと思う。彼は一端のトレカ商売をして遊ぶお金を自分で確保しているのが驚きだし、金銭感覚は万単位というのもどうかしている。が、熱心に話してくれたので、うんうんとこちらも熱心に聞いた。
話が一段落したところで、まだカードで遊べてなかったので、そろそろゲーム機に戻って遊ぼうということになった。彼は、家に帰るというので別れた。別れ際に、駅に隣接しているゲーセンは「良い」ので行った方がいいと教えてくれた。じゃあせっかくだから行ってみようということになり、店舗出口でその子とはバイバイをした。
やっとレアカードで遊べるし、あのお兄ちゃんの言うことが正しければ、またレアカードが出るかも…という期待で息子のテンションがようやく上がってきた。しかし、そこでもとにかく所持品には要注意だし、うっかり飲み物も買いに行けないなあ、と気を引き締めた。駅に隣接するゲーセンに着くと店内でこちらに手を振る人物が…さっき別れたあの子だった。
息子は笑顔で手を振り返す。一緒に遊ぼう、というわけである。二人でおめあbioderma 卸妝水てのゲーム機へ勇んで行き、お兄ちゃんからコレクションのなかから数枚の強そうなカードを借りて遊ぶことになった。さっきまで面識がなかった二人、あの一枚のレアカードへの執着心が仲間意識を芽生えさせた、とでも言おうか。もうすっかり知り合いのようにはしゃぐ二人の不思議な後ろ姿を見つめた。
レアカードを盗っていってしまったかもしれない疑惑のクラスメイトとも、来年はこんな風に仲良く遊べるようになって欲しいものだ。しかし、猜疑心に蝕まれている今は何とも言いようがない状態。たぶん、来年会ってその話をしても「知らぬ存ぜぬ」で終わってしまうんじゃないかと思う。やれやれ、やっかいだ。



Posted by kukufu at 12:25│Comments(0)
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